■思っていたイメージにピタッとハマるスタッフとの出会いがあった
R「そうなった時に僕がサロンワークを重点的にやるとサロンワークは充実すると思うんですが、僕の中ではやはりクリエイティブな部分とか、自分がやらないにしろ、そういう刺激のある空間でサロンワークしたいという思いもあって。でも自分がヘアメイクに外に行っちゃうと、5人のアシスタントがやることがなくなるし……そんなジレンマがあるときに、出会ったのがTacで」
―お、いよいよ登場。
R「もともと僕のお客さんで来てくれていたんです」
―読みは『ティーエーシー』なんですね。
R「自分のほかにもう一人スタイリストがいて、外向きにいいものを打ち出せたりとか、クリエイティブなサロンワークだったり、いろんな業界の人との関わりがあったりとか、そういうのを持っている積極性があるスタイリストが欲しいなと思っていたんです。それに彼がバチッとハマったんです」
―Tacさんのキャリアは?
Tac(以下T)「大手の美容室でアシスタントした後に半年くらいフリーターをして、自分の行きたい場所に行こうと思って、ニューヨークとかに遊びに行ったりしていました。その後に青山のサロンに入社してスタイリストに育てていただきました。そこを退社してから一年間フリーランスです」
―なぜフリーランスに?
T「自分ができることを広げていきたいと思ったんです。サロンワーク中心じゃなくて、もっと外部に自分でやりたいことを広げていこうと。自分に来る仕事を全部受けたいという意志があって、それが柔軟にできるのがフリーランスだったんです」
R「僕のサロンワークを軸にしないバージョンの活動をやっていた人だったんですよ。それが両方そろうサロンになれば、すごく忙しいサロンワークの回し方が勉強できるし、外部撮影だったり、クリエイションの方も、いろんな可能性が広がるので。僕がメンズ中心、Tacはレディースがほとんどというバランスもいいですし。今いるアシスタントも、これから入ってくる子たちも選択肢を広げられる環境にすることができる」
―具体的にはどんな仕事を受けてきたんですか?
T「例えば東コレに、ヘアメイクのアシスタントでつかせてもらって、しかも何体か任せてもらったり。ヘアスタイリストとして現場に行かせてもらうということを中心に活動していました。それと人との繋がりを大事にしたいと思っていたので、バンドのヘアメイクだったり自分が繋がりたいジャンルの音楽関係の人達と繋がれるような現場にも行っていました」
―そのままフリーで続ける選択肢はなかったんですか? サロンに所属することになりますよね?
T「僕としては、東京で美容師として働くにあたって、自分にいい感じのおしゃれな子が来てくれるという美容師になりたいと思っていたんです。自分たちが大切にする場所があって、その場所にいろんなジャンルの東京のシーンで活躍しているイケてる子たちがやって来るような」
―なるほど。
T「僕はニューヨークに行っていた時にストリートブランドの店舗があって、そこにいろんなジャンルの子たちが遊びに来る光景を間近で見ていたので、そんな場所が東京にもあるといいな、それが美容室を通しても作れるんじゃないかなと思っていたんです。フリーは個人プレイだから。Ryutaroさんのところにやってくるお客様はカッコいいなと思っていたので、そこが交わればいいものが作れるんじゃないかと思いました」
R「Tacがジョインしましたけど、今までと変わらず自由にいいなと思うお客様をやってほしいし、自分がいいなと思う人とつながってほしい。そこでその子たちがヌーヴのこともいいなと思ってくれたりというのを、僕も応援したいっていう感じです」
―いい作用が生まれるといいですね。
R「Tacみたいなスタッフが今後も出てきてほしいというか、アシスタントたちがそういうふうに育ってほしいなとも思うし。このサロンを色々な意味で盛り上げるために、僕はサロンワークをどんどん回してアシスタントを育成するのも僕の新しい役割ですね」
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