LIPPS渋谷 代表 大島コウヘイさん PART2「驚異の売り上げがもたらせたもの」
み:渋谷店を任されたのはいつなんですか?
大:今年の3月です。代表としてやらせてもらうことになりました。
み:渋谷店は、渋谷でもちょっと奥まってますよね? ここがよかったんですか?
大:もうボクはどこでも大丈夫です。席さえあればどこでもいいと思ってました。
み:なぜそう思ってたんですか?
大:近いから行くような店でもないと思っていたんですよ。例えばラーメン屋さんでも、美味しいところには、遠くても行くじゃないですか? 家から近いとか、立地がいいとかで選ぶ時代でもないだろうと。本当に上手くて、本当にお客様に支持をされていれば、遠くても来てくださると思うんです。ちゃんとした技術を提供して、ちゃんとやっていれば、ちょっと静かな方が逆にいいかと思ったくらいです。
み:渋谷に来てお客さんの層は変わりましたか?
大:表参道にいる頃は学生の方が多かったんですが、渋谷に来て社会人の方が多くなりました。ビジネス街ですもんね。高校生の方が減って、大学生以降が増えました。
み:お店は自分が描いた通りに経過していますか?
大:いやー、上手くいきすぎくらいですねー、はい。売り上げ、雰囲気、スタッフの成長、全部そうですね。想像していたよりも上手くいってますね。
み:ふーむ、その展開で驚異の数字が。話は戻りますが、1740万円を達成して今思うことはありますか?
大:技術はベストを尽くせたんですけど、コミュニケーションについてはもっととりたいと思いました。今回ここまでやったからこそ、大事さがより深くわかるというか。それに今まで積み重ねてきたものがあって、このターンではお客様に許せてもらったというのがあると思います。何年間もきてくださっていたお客様もいらっしゃいますし。
み:その話だと、1740万円っていう数字って何を表しているかというと、「信頼」かなとも思いますね。
大:そうかもしれないです。
み:慌ただしい状況を許してくれたお客さんとの、時間の積み重ねとか。
大:そうですね。それと今回チャレンジできたのは、フロアがいいフロアだったんです。めちゃくちゃ技術もあるし、人間力も高いフロアになっているので、それでできたと思っています。
み:美容師として個人の見解になりますが、スタイリストになってから嬉しかったこと、きつかったことは?
大:きついことはないですね。全部楽しいですよ。やればやるだけ外にも響いて、それだけお客様もきてくれて、そのサイクルでしかないから、やること全てが全部未来のお客様につながることなので、何もしんどくないです。めちゃくちゃ楽しいと思えますし。だから嬉しかったことも特別にはないくらい毎日楽しいし、面白いこといっぱいです。
み:なんて幸せなやつだ!(笑)
大:(笑)。スタイリストになってから売り上げもあげさせてもらってますし、何もないですね。全部やることに意味もありますし。
み:そんな美容師とはどんな仕事だと思いますか?
大:ボクは考え方がシンプルというか、美容師はシンプルにお客様を素敵にする仕事でしかないと思うんです。内面も外面も。人間的にも技術的にも。かっこいいこと言いたんですが、それしか出てこなかったです(笑)。
み:じゃあポリシーとか、モットーとかは?
大:それもありきたりの表現しかできないんですが、お客様にとって一番いいものを提供することしか考えてないです。お客様がやりたいものを忠実に提供して、1か月を輝かすことですね。それしか出てこないです(笑)
み:いいと思うけど(笑)
大:おそらくお客様は、自分の未来に良いイメージを抱いてLIPPSにいらっしゃると思うんです。「こうなれるんだ、みたいな。そうじゃないと高いカット料金も払わないし、わざわざ遠くから足を運んでくださらないと思うんです。その期待に応えることが、僕にとって一番大事なことですね。
み:ずーっとサロンに出ていて、プラベートで他のことでサロンワークにつながるようなことをやったりしてます?
大:なんもしてないっす(笑)。ほんとやばいんですよ。外国とか食事とか、ファッションとかも興味ないですし。休みの日は他の美容室のいいスタイルとかを見たり、撮影したり、オフの日でも店にいますね(笑)。たぶん密着されても面白くないです。
み:しねーよ(笑) 目指すところはなんですか?
大:ないです(笑)。10年後どうしたいっていうのもなくて。逆にそれも持たないようにしています。よくビジョンを持って動いた方がいいと言われるんですが、僕はビジョンを持って動くと逆算をしてしまうので。
み:普通は目標立てるでしょ?
大:ボクは逆算はあまり……そこにペースを合わせてしまうのが嫌で。今月とか来月の近くの目標は作るんですけど、何年後とかは作ってないです。毎日を120%で生き続けてやった先がベストのゴールだと思っているので、毎日限界まで挑戦することを日々繰り返すことの方が、性に合ってます。もしかしたらこのことが1740万円につながったかもしれないです。あのテンションで毎日やるってことが特殊なのかなと思っていましたもん、自分が。
み:へー。
大:数字に関していうとお客様が男性だからできたというのはありますね。短い時間でガラッと変わりますから。でも適当にやられたよなんて言われたことは一度もありません。え、もう終わったの?って驚かれることはありましたが、家に帰って自分でスタイリングしたらめちゃくちゃやりやすかったです、と今また来ていただいています。
また今でいうと、断ってきたお客様をデビューしたスタイリストに任せられるようになりました。お店としてお断りするお客様も減ってきています。1か月先の自分を埋めるよりも明日のみんなを埋めたいです。あんまり個人としての執着はないんです。
み:1740万円がもたらしたものってそういうこともあるんですね。
大:お店として盛り上げていきたいんですよ。こういう数字もボクが嬉しいというより、LIPPS渋谷として数字的なところでのブランディングができたのかなと、来年の新卒や若い子たちから見て魅力的に見えてくれるかなというのは良かったと思います。ボクはもう代表なので、例えば明日から僕の売り上げが0のなってもお店としての売り上げが上がるんだったら、それはそれでいいかなと思います。
驚異の売り上げ金額が表すものは、実績だけではなく「信頼」であり、もたらすものは名声だけではなく「人間力」でした。美容師としての土台も芯はあるのに、おチョーシものキャラが変わらないのもいい感じです(笑)
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