【美容師と服vol.3/『Kame』とRyutaro】

Kama


渋谷のニトリの向かい、1Fに中華屋さんがあるビルの5Fにお店はある。入り口に古いレジがふたつあって(初代レジと二代目レジだそう)、奥の扉の向こうにお店がある。正面上方のブランキージェットシティのポスターパネルがランドマーク。「一番好きなアーティストで、これはアンダーカバーがデザインしたんです」。嶋田さんと桐生さんのお2人が出迎えてくれる。

◼️自分たちが好きな服を売る、今はブランドの旬なときのアイテムを推している

―お店は何年スタートですか?
「2006年です。原宿ではじめて、2010年に渋谷に移転しました」
―お店の『kame』はどんな由来からですか?
「原宿のお店は東郷神社の付近にあったんですが、その池に亀がいたんです。のんびりしてていいなと思いながら見ていたんですが、そういえば亀って空以外にはいる生き物だし、どこでも現れる。そんな意味を込めてつけました。ガメラを入れたら空にもいますしね(笑)」

―(笑)。では、コンセプトをおしえてください。
「ジャンル問わず、自分たちが好きな服を売るって感じです。そうしないと服を売る時に接客ができないので。嘘をつきたくないので」
―得意なところとかありますか?
「基本的には90年代裏原系です。我々はそこから入ってきているんです。あの頃は裏原だけじゃなくて、ドルチェ&ガッバーナとかマルジェラとかも入ってきていて、全ての服がカッコよかったんですよ。2人ともその流れが一番好きというところから始まりました。僕はそっちが強くて、桐生はスニーカーから入っていて、スニーカーとかヴィンテージとか好きな感じの服を置いています」
―好きなものを集めて、さらにその中にこだわりなどはあるんですか?
「今は、当時はあまり見向きもしなかったブランド……例えば2005年当時は違うみたいに思っていたものでも、今我々的に見て、推したいものも。ノスタルジーじゃなくて、ブランドって旬があるんですよ。ブランドが旬な時は服が勝手に売れるから、デザイナーが売ることを考えて作ってないんです。そういうのって当時は人気がなかったけど、今見たらカッコいいんじゃないかっていう、そういう視点で見ていいなと思うアイテムを集めていますね」

―それは、知識はもちろん、感覚的なことも大事そうですね。
「知識半分、感覚半分じゃないでしょうか。逆に確かにあのころは人気があったけど、形的に今に持ってきてもどうなのかなってものもあるし。当時は着てなかったけど、いいなって思うものもあるし。そういう感覚ですよね。今はコンセプト的には、好きなものプラス、そのブランドの旬のものを置きたいなっていう感じです。これは他の店では多分マネしにくいと思います」

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