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LIPPS渋谷 代表 大島コウヘイさんPART1「個人売上1740万円は、信頼の証」……

『M’s Column』話題の人に三浦編集長が話を聞く、「徹子の部屋」みたいな企画です

いつもより暑かった去年の夏の終わり、LIPPSからとんでもないニュースが発信されました。「渋谷店代表:大島コウヘイ、8月月間売上1740万円達成」。美容界を揺るがす、あまりにも衝撃的な数字! いったいどうやって? どんな美容師なの? これはもうまっすぐ本人に聞くしかないですね。

編集長(以下/み):久しぶり。いつ以来だっけ?

大島(以下/大):ごぶさたしてます! うれしいです!! よろしくお願いします!!

み:いきなりだけど、気になってしかたない。1740万円ってどういう内訳なんですか?

大:技術料が1670万円で、商品販売が70万円くらいです。数字だけが先行して伝わるのも本意じゃないんですが。

み:どうやって? それはどういう数?

大:一日だいたい50〜60名を担当させていただきました。カット、カラー、トリートメントとか。夏で施術内容が多かったっていうのもありまして。

み:サロンワークはどういう状態になるんですか? ずーっとてんてこ舞いでしょ?

大:それはめちゃくちゃ言われるんですが、意外とそうでもなかったです。ボクはクオリティを落とさずに、短時間でカットができます。シャンプーとかトリートメントなどの施術はアシスタントの子たちがやってくれていますし、チームワークのおかげです。

み:アシスタントは何人いたんですか?

大:当時は4人です。

み:どうしてそんな数字をやろうと……。

大:数字を狙っていったわけではないんですよ。この8月は、お客様を断らないでいこうと思ったんです。それまでは、一日20〜30人お断りしていたので。それが毎日続いていて「これは良くないな、とにかく一回全部受け入れてみよう」と思ったのがきっかけです。そうしたらその数字になりました。

み:へー!

大:あくまでお客様のお時間が許す範囲です。ご予約の時間が重なるケースもありますから、お客様をお待たせすることもあったんですが、そこはまずお客様に説明して、時間の余裕も伺って、それでも大丈夫であればと受けさせていただいていました。

み:お客さんは男性ですか?

大:男性だけです。

み:ずいぶんさらっと答えるが……どえらいことをした人の反応には見えん。

大:そうなんです。もちろん余裕かましてできたわけじゃないですけど。すいません、あんまり面白くない答えで(笑)。

み:そのお客さんを断らないでいこうと思ったのはなぜですか?

大:それまで、本当に断りすぎてて……「お客様にまた来ていただくために毎日ベストを尽くしているのに、こんなに断っててなんだよ!」って自分で思ったんですよ。だからこれは、やってみなきゃと。

ボクは渋谷店の代表になって、今は引き継ぎの期間だと思っているんです。信頼するアシスタントがデビュー間近だったこともあって、一度全部のお客様を呼んで、この二人が今度デビューするからよろしくお願いしますと、紹介する期間だなと。彼らは技術的にも上手ですし、正直パーマもカラーもボクより上手いくらい。本当に上手だからお客様に紹介したいなと。

み:じゃ、大島さんの売りはなんですか?

大:ボクの売りは、いい意味でこだわりがないことです。自分の技術に。自分ではなく、本当にお客様がやりたいと思ったスタイルを忠実に再現できる力が強いと思います。

美容師になったきっかけも変わってますし、たぶん他の美容師さんとは、美容に対してのアプローチが違うんだと思います。こだわりも誇りもないし。だからこそ、お客様がやりたいと思ったことをニュートラルに表現できるんです。おそらく他の美容師は自分が好きなものがあって、そのフィルターを通ってお客様に提供するので、ちょっとエゴが入ると思うんです。感性であったり。センスであったり。ボクは感性やセンスはないし。カットがすごい好きかというと、そんなに好きでもない。ただお客様にきてもらって満足してもらうためにツールとして、カット技術が必要だから誰よりも練習しましたけど、好きかというとちょっと違います。サラリーマンの方で例えると、仕事で成果を出すために、道具としてパソコンを使うイメージです。

み:そんな考え方の大島さんがどうして生まれたのか。美容キャリアについて聞きたいんですが、そもそも美容師になろうと思ったきっかけは?

大:そんなに美容が好きでとかではなくて。高校は山口県の進学校で、中学の頃は勉強も得意でうまくいってたんですが、高校はみんなが頭がいいという環境で、すごい勉強してもいい順位が取れない。こんなに辛いことをこのまま続けて、大学に入るともっと勉強しなきゃいけなくなるなと思ったりして、卒業直前に勉強しすぎてノイローゼみたいになったんです。それで卒業後1年間、ニートになりました。

で、どうしようかなーと考えたんですが……本当にしょーもないんですが、すごく好きだった女子がいて、そのコに彼氏ができたって聞いて、その相手が東京の美容学生だったんです。それを聞いて、その美容学校に入りました(笑)

み:は?(笑)それは何? どういうやつか見てやろうってこと?

大:いや、そういうことでもなくて(笑)。当時本当にやりたいものがほしかっただけなんです。ボクは……例えば、イチローさんとか孫正義さんとか超一流の人は、何をやってもうまくいく人なんだろうな、多分イチローさんが美容師やってもうまくいったんだろうなと、できる人は何をやってもできるんだろうという漠然としたイメージがあったんです。それで「オレも何やっても、本気でやったらうまくいく」と思ってて。

み:根拠のない自信(笑)

大:子供の考えですね(笑)。その一方で特にやりたいこともなかったので、今一番気持ちが強いものをやろうと思って。そのときに美容は今まで自分が全く着目してなかった分野だったし、そんな自分も面白いかもなーとか思ったんですよ。

み:美容学校はどこに行ったんですか?

大:国際文化の国分寺校です。でもそのさっきの好きなコの彼氏は渋谷校で。それを間違えていたという(笑)。

み:(笑)。そしてLIPPSに就職して。美容師がどんな仕事なのかわかり始めたのはいつ頃なんですか? 本質的なところというか。

大:うーん、本質的なところというのは、まだわかっているかどうかもわからない、途中なんだと思います。でもLIPPSに入ってアシスタント1年目の時に、美容師がどういう仕事なのかということは、一気におそわった気がします。

み:どんなことを?

大:技術職というより、お客様第一。美容師である前に人間であれということです。技術云々というより先に、人と人とのコミュニケーションの取り方とか、そっちの方が大事。美容師という仕事は手先でやるものだというイメージがあったんですが、そうじゃなかった。そこは1年目の入りたてでおしえてもらったので、すごく感謝していますね。

み:アシスタントのころは何を考えていましたか?

大:最初は必死に生きるような感じでしたね。本当に不器用だったので。何もかもうまくいかなくて。スタイリストになるカリキュラムとかも進み具合が同期で最下位、しまいには後輩にも抜かれる始末で。ついていくのでいっぱいいっぱいでした。

み:辞めようとは思わなかったんですか?

大:それはなかったですね。美容師になった過程が過程だし、すごすご帰るわけにはいかないですよね。何とかスタイリストでデビューしてやろうと。

み:そのころに嬉しかったこと、きつかったことは何ですか?

大:きつかったことはないです。というかそこまで考えられなかったです。毎日必死だったので。嬉しかったのは、お客様から指名をいただいた時ですね。アシスタント指名。それだけでその日楽しかったです。

み:それでデビューしたのは何年めですか? そのときの感想は?

大:4年めです。いやー、もう人生終わったような感じでしたね(笑)

み:どういうこと?(笑

大:そこだけを目指して突き進んでいたところがあったので。目標達成というか。スタイリストになった時は、ボクの中で逆に終わっちゃったっていうか。今思えばよくないんですけど、やったなって感極まりました。特にスタイリストになるまでのラスト1年で詰めたところもあったので。一気に全員抜いたっていうか、同期で最下位だったのが、最初でデビューできたんですよ。周りから見てもやばかったみたいです。

み:ではスタイリストになって、どんな美容師になろうという像はあったんですか?

大:上手い美容師というより「支持される美容師になりたい」っていうのがありました。ボクの中では「カットが綺麗にできていたら上手いのか?」ということは今でも思っていて、それよりお客様に寄り添ったスタイルであったり、お客様がやりたいスタイルを忠実に再現できる方が上手い美容師だと思っています。どんな手法や手段を使っても、お客様に満足して帰ってもらって、また来たいと思ってもらえる美容師になりたいと思っていました。これは今でもずっとそうです。

み:数字を意識しはじめたのはいつごろですか?

大:正直、数字は全く意識していないです。そもそも給与とかを意識して入った業界でもなかったので、お金が欲しかったら違う仕事をした方がいいとも思いますし。よく「それはウソだ」って言われるんですけど(笑)

 

 

<以下、インタビューは大記録に戻ります。続きはPART2で!>

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