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【美容師と服vol.16/酒井元樹さん(iLe.)と『彼岸』・前編】

酒井元樹さん(iLe.)と『彼岸』・前編


◼️プラスとプラスが掛け合わされるような創造性にあふれた撮影

―どんな撮影ですか?
酒井「美容業界誌の撮影の時に衣装のスタイリングで声をかけさせてもらって、それから相談するようになりました。オリジナルの感性、面白い発想がどんどんすぐ出てくるんですよ。ロジカルに応えるのではなく、自分の独自の感性で。それが面白いなって。僕にはない発想があると思って。今まで僕もファッションを楽しんできたつもりではいたんですけど、「あー、いいよね」って」

―あー、なるほど。
酒井「その業界誌の時は龍之介さんに相談して。どう交わるかわかんないけど、お互いぶつかった時に何が生まれるんだろうっていう興味がわいたので。やってみたら、なるほどって思うことが多かったです。納得する部分もあったし、納得しない部分もあったし。でも逆にそれが次に進むいいきっかけになりました。プラスとプラスで掛け合わさったみたいな感じで。だから呼吸が揃ったら、お互いをもっと知ったらもっとすごくなるのかな、そういう可能性を感じましたね。またやってみたいと思っていますね。またちょっとパワーアップしたんで」

龍之介「やってみたいですよね。酒井さんって本当に美容師として熱心なので」
―今日も理一さんに相談があるとか。
理一「美容師さんのリースは時々あるんですが、酒井さんは他の方とは一線を画してる人だなと思います。自分のファッション感度と自分のやりたい髪のことが結構マッチして、どんどんクリエイティブなことを作り上げているので、そういうのってあんまりないというか」

―ほう、そうなんですね。
理一「美容師さんのリースって髪先行ではじめて、後からファッションみたいな流れは結構多いんですが、酒井さんはファッションから決めて、そのファッションでヘア決めていくっていう流れで相談されることが多いので、それってめっちゃ素敵やなって思います。一緒に作っていけているし、面白いなと思います。やはり酒井さん自体が,すごくファッションを楽しんでいる方なので、そこが一番かなと思いますね」

酒井「ちょっと感覚的なところがあるんですけど……自分が想定してなかったファッションの雰囲気が、常にいくつか彼岸にあるので、なるほどそういう感じねっていうところから、じゃあ僕もこうかましていきたいなっていう、その融合性を僕は楽しんでいるという感じです。ヘア主軸になりすぎてファッションの幅が狭まるというのは、僕の中でやりたいことは違うかなと思っているので。僕はどんどんファッションを楽しんでもらうためのヘアを作りたいっていうのが先行しているというか、ヘアだけを見てもらいたいわけじゃなくて、その世界観を見てほしいというか」

―なるほど、酒井さんの作品づくりのアプローチが垣間見れた感じがします。
酒井「僕もヘアとしてはプロだと思っていますし、ヘアが決まりすぎていて、ファッションを提案してくれる人にガチガチに発想を狭ませることをしたくないんですよ。ある程度余白は残した状態で、幅広い提案をされることによって、もっと面白い作品ができることがあるんです。自分の発想にないところを掛け合わせてくれるから、それが僕の中でも刺激になるし、成長にもつながるし。そういうのを楽しんでいるかもしれないですね」

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