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empowered talk【ワタローさんの新しいストーリーがはじまりました!】

■これがやりたかったんだ、まだ始まってないけど、理想論みたいなのを叶えれた気がする

―ほかには印象的なエピゾードありますか?
W「向こうでウィッグを買おうとしたんです。安い化学繊維も高い人毛もあるんですが、やっぱおれは人毛を選んじゃうんです。価格は高いけど、それを3つ4つ変えるまだ財力もあるし。で、ロンドンでイケてるって思った子に「今ウィッグ作りたいんだよね」って話をしたら、「おれも作ってるよ」って言って見せてくれたんですが、それがヤバくて。それは、すぐそこのスーパーで買った1000円ぐらいのウィッグで作ったって。なんかもう、壊したり、解体したりして、すっげえカッコいいのを。もう金じゃないなみたいな。なんかその差が、自分的にまた食らったというか。作りたいのを作れるやつは金なくても作れるんだーみたいな。それがおれはもう、なんか年取っちゃったなーってのもあるし、アーティストとしてよくないとこにいってんなーと思いました」
―それは今まで培ってきた結果で、それが用意できるっていうことなんだから、いいんじゃないの?
W「なんか、昔のおれだったらそうやって作ってたなっていう感じが、なんか思い出したのある。おれもそうだったのに。結局人毛の高いウィッグで作っても、そいつの作品よりカッコいいのは作れなかったんですよ、自分の中で。で、お金じゃないってなって。結局はアイデアと精神。もちろん自分の持っている環境もセンスの1つだし、実力の1つだけど、おれがいいな、羨ましいなと思うのはジャンキーな方。かわいいお客さんをかわいくするのは簡単。変わったお客さんを超かわいくできた方が嬉しいし楽しい」

―そうか。早く実践したりする機会をつかめるといいね。
W「わりと横のつながりで、メイクさんが紹介してくれるパターンもあるんです。向こうにいる時も結構言われたし。ヘアできる人探してるんだけど、やんない?みたいな。僕はコミュ力あるんで、向こう行っても、飛び込んでいけば。お金になるかどうかは別として、そういうきっかけは多分多いです」
ーおぉ、そうか。
Wクリエイションしてる人たちも、ほんと毎週やっているので、だから暇な日々にはならないと思っています。コミュ力とバイタリティと体力さえあれば 一旦は走れる。で、まずは行くとこまで行く。また4〜5年やると多分ベクトルが全然ちがう、変わってくると思います。4〜5年いる人は月に2〜3本でっかい仕事やって、ヤングのやつらは明日もあるんだ〜みたいなこと言ってたんですよ。金がないやつの方が忙しい」
―ワタロー、後者向きじゃない?
W「そうなんですよ、実際」
―そういうチャンスを狙ってる人は、日本人だけじゃなくて、いっぱいいそうだね。
W「ライバルみたいなのはいっぱいいます」
―えー、それ楽しそうだな。聞いてるだけで楽しそうだなって思うわ。
W「楽しそうっすよね。うん、楽しいっすよ、絶対」

―もっと若者と一緒にやるんだよ、きっと。あの人、日本じゃ有名だったみたいだけどさー、とか見られながら。
W「根っこはそう思いながら見てくるし、ちょっと見せつけないといけないし、なるべく早く走らないといけない。それでも、気持ちいいですけど。見てろよ、みたいな。限界、知りたいですよね。アスリートじゃないけど」
―うんうん。
W「20代は駆け抜けて原宿でyeahってやれたんで楽しかったですよ、自分の中で。でもこれから40歳への準備ってなったら業態を変えないと。過去の影響はもう捨てよう、みたいな。また下積みですね。多分いなくなったと思われます。僕を知ってくれてる人は、「あいつ聞かねえな」みたいな。そうなってもいいなと思うし」

―なんだか羨ましくもあるなー。
W「自分も最高だなと思ってます。これがやりたかったんだよなって。まだ始まってないけど、その理想論みたいなのを叶えれた気がします。なんか美容学生の時に思いついたことができている気がして。海外行ったり来たりとか、漠然と言う子も多いと思うし、自分もそう思ってたと思う。それを今できてるんだなと思います。やっててよかったなっていう」

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