■人に優しく、チームのスタッフを大事に
―理念以外に共有するマインド的なものはありますか?
ハブ「人に優しくすることです。ウチはチーム制にしているので。チームでやるということは仲間のことを考えないとうまくできないので」
―どんなチームですか?
ハブ「スタイリスト1人につきアシスタント1〜3人くらいいて、1日15人とかやっていくチームです。例えばめちゃくちゃ売れたいと思っているスタイリストがいるとして、300万円売り上げたとなると、アシスタントが2〜3人は必要なんです。その2〜3人が疲弊してしまったら続かない、不満も出るだろうし。そうするとリピート率も下がるし、辞めたいになるし。長い目でみると続かないんですよ」
―想像できますね。
ハブ「300万円売り上げたい、その思いは自由だけど、そのときに「アシスタントのことをどう思っているか?」なんですよ。彼らが楽しく働いているかを見て、ちゃんとチームで結果を出していこうねって方針にしています。アシスタントが「今日は忙しかったけど楽しかったです」とか、「ここ予約入れちゃいましょうよ」とか前向きになっていくほうが長く続くし、もっと売り上げもいくんですよ」
―そうなると雰囲気もよくなりそうですね。
ハブ「だから技術力アップや売上というお客様との関係性も大事ですが、スタッフとのチーム作りの方がもっと大きい結果を出していくには重要なんですよ。美容師になった時って上手くなりたいと技術のことは考えるけど、チームワークのことなんて考えないじゃないですか? スタッフを大事にするとか、人に好かれようとするとか、コミュニケーションを円滑にしようなんて考えないので、そこを僕が教える感じです。人に信頼されたりとか好かれたりとか、人が集まる存在にならないと明るい未来は作れないので。それは言わないと気づかないですから。なのでうちのスタッフは優しく、いいやつが多いです。」
―伸びるスタイリストの条件ですね。
ハブ「そうです。一つはセンス、飲み込み力。言ったことすぐできるとか。技術的なセンスの部分。そして気遣いとか優しさとかの部分、スタッフから好かれること。人がついてこなかったら売上は上げられないですから」
―なるほど。
ハブ「自分の結果をスケールしていくには絶対必要です。仲間たちが楽しく働けているかということを見ていきながら自分のやりたいことをやっていく。順番が仲間→自分なんです」
―そういう内面育成はどんな場でしますか?
ハブ「全体ミーティングだったり、個人の面談だったり。その話しかしないです。さらにいえば面接で見て、そういうことができる子しかとらないです。いいやつしか」
―その面接では、どんな質問をして判断していますか?
ハブ「質問の内容はどうでもいいんです。会話をして話し方だったり、抑揚とか姿勢を見たりします。志望動機とかはどうでもよくて。「今朝は何食べた?」とか「好きなものある?」とか。その場で考えて、レスポンスしなきゃいけない質問って、その子の素が出やすいんですよ。相手に気を遣ってしゃべっているかどうか、相手の気持ちを考えているかどうか。ひとつはそういうところを見ています。あとは調和が取れるかどうか」
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