◼️お金儲けじゃない、自分の主は美容師だから
―服を作るって、まずどこから手をつけたんですか?
いさな「まず自分が持ってる服の採寸から始まりました。好みの服の着丈とか袖丈とか全部測って。そのためだけに服も買って、形を見て、渋谷原宿をアシスタントと練り歩いて、写真撮りまくって、着てみて。それから計画書などの書類を作って、いろんなメーカーに作れるかを聞いていきました」
―型数も出しましたね。
いさな「もう最初から7、8アイテムぐらいは作りたいなと思っていました。Tシャツを1つ2つだけ作ってっていうのだと、弱いじゃないですか。やっぱ、バーンってやりたかった。でも支払いは死んだっすね(笑)」
―コンセプトの発端が自分の着たい服ということでしたが、ビジネス的な視点は?
いさな「そう聞かれたら、お金儲けじゃないって答えます。別に赤字でもいいなと思って作りました。なんやろ……自分の主が美容師やからかもしれないですね。服を自分の職業としてやってたら、確かにビジネス要素って入っちゃってた気がするんですけど、主じゃないからかもしれないですね」
―サンプル作ると1回ずつお金かかりますよね?
いさな「かかります、もちろん。でもやりました。それこそスタッフには死ぬほど心配されたっすね(笑)。ずっと毎日のようにサンプル届くし、毎日のように電話してるし。毎日のように問題起きるし」
―どういう問題?
いさな「思っていたのと違うってことです。自分が思っていた採寸の感じと形が違うんです。もう何回かわかならないくらいサンプルを繰り返しました。例えば前見頃を60cmだとして、次は62㎝にして欲しいって頼むと、62㎝にはなってるんですけど、うしろが合わないんです。股下が合わなくなってくる。で、股下をいじったら、今度は太もものわたりが合わなくなってくる。バチッとハマるまでが何回もかかりました」
「服のサイズ感にはゴールデンサイズがあるんですけど、ゴールデンサイズってちょうどいいバランスなんです。でも僕はちょっと尖りが欲しかったので、ゴールデンサイズではなく自分の感覚にこだわりぬきました」
―価格は2万円いかないですね。
いさな「そういうちょっと変わったデザインのブランドで、値段は、分かりやすくいうとZARAぐらいが良いんですよ。こっち系が好きやけど、値段高くて買えないからヴォルフ買おう、ぐらいのところ。学生のお客さんも多いし、若い美容師さんも多いし、やっぱ2万円いかないぐらいの価格で売ってあげたいなって考えたりして、いろいろそれでやりました」
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