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Lond 代表 斎藤信太郎PART2「美容室は人、いいスタッフが一番大事です」

み:では今の話に移りますね。独立したのはいくつの時?

斎:28歳です。

み:それは予定通り?

斎:タイミングで言うとちょっと早いです。

み:なぜちょっと早くなったの?

斎:当時ではじめた集客ツールが郊外の美容室で成功していると、ぼくの耳には入ってたんです。それで自分なりに集客ツール使うならこうやってとか、サロンのあり方とかを考えていたので、「だったら自分が今思ってることを形したほうがいいな、これだったら当たるでしょ」って思いがつのって。本当は30歳くらいで独立って思っていたのが28歳になりました。だからある意味、プレイヤーとしては、まだまだこれからっていうタイミングだったので。想像より早かったなって思いました。

み:何人かで始めたんでしょ?

斎:6人です。専門の同級生です。

み:よくタイミングが合ったね。

斎:ずっと約束をしていて、30歳くらいでって。みんな同じエリアで働いていて、各自悩みを抱えていたりしたので、そんなときに今みたいな話をして。「今やったってできんじゃね?」と話し始めたのが27歳の時です。で、28歳で店を出して。

み:ところで銀座では勝算はあったの? 縁もゆかりもない土地で。

斎:100%ありましたね。

み:なぜ? どういう読みで?

斎:そもそも表参道を離れようというのはあって。あのエリアの集客の難しさを痛感してましたし。厳しいだろうなと。集客の仕方が、雑誌からフリーマガジン、WEBに移行していく中で、遠くからきてた人が住んでいる所の近くで探すようになる。すると商圏が狭くなる。それは可能性として厳しい。だったらこのあたりは離れよう。なぜ銀座かというと、将来的には全国展開からアジアへの展開を考えていたんです。そうなったときに、やっぱり銀座というブランドは欲しいなと。だから一号店は銀座だと。

それと前の店ににいる頃も銀座近郊で働いている女性が来てたんですよね、いいお店がないから、と。若い人、20代のOLさん向けのサロンは少なかった。さらに当時、銀座というと高単価なイメージで、女性のお客様も高いイメージがあったんですけど、銀座にもファストファッションのお店ができたりして、若い客層が入ってきている。そこにターゲットを絞ろうということもありました。

み:料金の8000円という価格帯も考えがあってのこと?

斎:もちろん戦略があっての中価格帯です。当時美容業界は、高価格と業務委託系の低価格の二極化が進んでいくと言われていたんですが、ぼくは絶対そんなことはないと思っていました。例えば実家暮らしのOLさんが結婚などで環境が変わったとして、それまで1万2000円かけていたのが、5000円まで下げるかといったら、多分下げないと思ったんです。降りてくるなら中価格帯までだろうな。逆に低下価格サロンで失敗したお客様が、もうちょっといい店に行こうってなったときに1万2000円まで上げるかっていうと、そこまではいかない。まず中価格帯を考えるだろうと。そこに需要があるなって思ったんです。そもそも経済の構造ってどの分野を見ても二極じゃなくてピラミッドですよね? 高価格と低価格、その中間は絶対あると思ってました。しかも銀座には少なかったんです、中価格帯って。まず銀座の全部のサロンの単価を調べたら、中価格帯って6%しかなかった。つまり競合が少ない、ブルーオーシャンだったので、ここなら勝負できるという7800円〜8000円に設定しました。今はメニューが増えてちょっと上がっちゃいましたけど。

み:か、かしこいね、キミ。。。

斎:始めたときにも集客サイトの方に「中価格帯は当たらないですよ」って言われていたんですが、初月に450人きました。テンション的には「ほらみろ、うちのやり方が正しいんだ」ってなりましたね。あとは全国展開を考えたときにどこでも戦える価格帯にしなきゃいけないですから。ウチは、都心からずれたところでも爆発しているんです。そうなると高価格帯の美容室は入ってこれないですから。「いい店を作れば、どこでも戦える」ってことで中価格帯なんですよね。

み:6人いると美容キャリアとしては違うじゃないですか。異文化が混ざって衝突とかおこらないの?

斎:ないですよ。6人の中で役割を分けてやっているので。僕は出店に対するマーケティングと、財務を担当することに決まってるんです。他にWEBをやる人、教育をやる人とか。技術教育に対して異文化が混ざると衝突も起こるんですが、完全分業なので混ざらない。それぞれ事業部長がいるような会社っぽいイメージです。

み:自分としてはロケットスタートできたと?

斎:いや、違いますね。というのも、僕はめちゃめちゃ計画的に動くんですよ。5年経って、今年の12月には10店舗でスタッフが100人くらいになるんですが、この計画って2013年の1号店をオープンする前に決まってるんです。1号店を出す段階で2号店はいつ出す、3号店は? と出店計画があって、それに対してスタッフの増員、売り上げの伸びの計画があった。よく勢いありますねとか言われますが、めちゃめちゃ計画的にいってるだけです。しかも僕らにしてみれば石橋を叩いて渡るような計画です。この5年間は組織としてしっかり基盤を作ろう、6年目の来年から本当の勝負に出るからねってスタッフにも言ってます。だから来年10店舗出す予定です。

み:2店舗めってどのくらいあとだったの?

斎:11か月後です。本店ができた4か月後には2店舗めに向かって動いてるんですよ。売り上げの数字は立ってないし、人もいないのに、計画は立ってるから。2013年8月にオープンして、2014年7月にできてることになってるから、それに向かって動こうかと。

み:計画とはいえ、よくそのままいった!

斎:数字はイメージ通りできてたんですよ、1号店オープンしてから。このままいけばいけるだろう、と。それをずーっとやっているだけです。

み:じゃあ計画通りきていて、予想外のことは何もない?

斎:人が辞めなかったことです。今年の7月に一人辞めただけです。すごいと思います。

み:どういう理由で辞めないんだろう?

斎:色々あると思います。給与形態が良くて、完全週休2日制。お店の雰囲気、空気感も他の美容室に比べればすごくいいと思います。あと自分で思うのは、働いてるスタッフが、今後ここでどうなっていくんだろうというビジョンを描けるのがいいのかなと思います。3年後、5年後のことはなかなか描けないですが、来年こうなっていたいというのは描きやすいと思うんです。アシスタントが1年後にはスタイリストになることを想像したときに、ウチのスタイリストはけっこう給料とってますから、そこに夢が持てますよね。スタイリストになってからも、ウチは出店が早いので、どんどん幹部になる。チャンスが多いんです。さらに幹部になったら、うちは社内独立制度があるので、うちが出資をしてどんどん独立することもできる。独力で独立するのもここを出るより、ここでいい条件で独立した方がリスクないですし。そうやってそれぞれの立場ごとに、1年後どうなっていたいかが描けるという会社のあり方というのが一番かなと思います。どうしたらいいんだろう? とか先が見えないが不安を生むので。人が辞めないお店にはしようと思ってはいて、それなりの努力はしたんですが、とはいえこうも辞めないかなと。辞めなすぎ(笑)

み:この成功の秘密はなんなんだ!?

斎:美容室を経営していく上で間違いなく言えるのは、人、いいスタッフが、一番大切です。なんで美容室が衰退するかっていうと、いい人材が抜けるからです。お客様はもちろん大切だけど、スタッフをどれだけ大切にするかっていうことが本当に大事です。ウチは集客に目を向けられることが多いんですが、でも人がいなかったらそんな爆発的な集客は取れないんですよね。だからこそウチのメンバーの念頭には「スタッフを大事に」って入っています。

み:じゃあいい人材はどうやって採るわけ? そんな採用してるの?

斎:特別なことはしてないですけど……。一つ言えるのはサロン見学にきたときには、うちは代表6人の誰かが絶対に対応に当たるんですよ。これが他と違うかもです。自分たちがどういう想いでやってて、どういう志があって、どういうお店なんだっていうことを話すことが大事だと思っていて、1時間くらい喋るんです。社長が出てきて1時間話したお店だと印象が違いますよね。なので、その後に採用面接に来る子たちは、そんな想いに賛同してきてくれるので、思っていたのと違うぞってことはならないんです。それが、一番ダメですよね。

あとうちは面接を20人の幹部全員でやるんですよ。希望者1人対幹部5人の面接を都合4回やります。同じこととか聞くんです。そうすることによって、本人の言っていることに整合性が取れるんです。本人の真意はどこにあるかがわかりますし、いい悪いの判断がしやすいんです。

み:海外の一番はじめがインドネシアだってのはどういう狙いで?

斎:アジアにしたのは……美容室のあるあるは、海外店舗といえばNYとかロンドン、シンガポールとかですが、イメージいいんですよね。でもそれってブランディングのためなんですよ、国内向けの。我々がやりたいのは、出すことが目的じゃなくて展開することです。世界的なマーケットをみたら、一番いいのはアジア、東南アジアですよね? それで各国に視察に行って感じたのは、その熱いと言われている東南アジアにいち早く参入しているのは日本なんだなってことなんです。各分野の企業が進出していて、でも美容室はというと、一番やっているところで5店舗くらいです。だから他の業界から美容業界は遅いって言われるし、舐められる。「じゃあウチがやろう」と。「Lond Tokyo」っていう名前で東京から来たということを出しています。なぜジャカルタかっていうと、経済成長率が特に高いと言われていて、駐在の日本人が3万人くらいいるからです。マーケットとしては大きいかなと思いました。来年はマレーシアに出します。

み:じゃあ将来的にはどうしますか?

斎:やっぱり国内は年商第一位を目指してます。300億くらいはやりたいな。全国400店舗くらいですかね。あとは海外ですね。

成功しているといわれるサロンには、それぞれメソッドがあります。斎藤信太郎は、ロジカルな戦略家。現実を冷静に分析して、将来も見据える。あの当時は、こんなにクレバーなやつだとは気づかなかったな、おにぎり食べながら原宿歩いてたし(笑)

 

 

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