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初の単行本『美容師あるある物語』発売記念!イラストレーターTAKUOさん電撃インタビュー!!

現役の美容師だからこそ描ける「美容師あるある」のイラストが、インスタグラムで人気爆発。1月10日にはいよいよ初の単行本が発売される、美容師イラストレーターのTAKUOさん。昨年末発売した本誌でもマンガを描き下ろしてくれた縁で、顔出しインタビューが実現しました。謎多き人物に迫ります!!

み:イラスト描き始めたのはいつごろですか?

T:もともと絵はずっと好きで、学生時代の授業中は絵しか描いてこなかったです。小学校の時からずっと。ノート以外にも落書き帳みたいなのがあって、それを何冊も何冊も描いて。授業中もノートの隅っこに絵を描いていたりとか。

み:小学校の頃は何を描いていたんですか?

T:自分でキャラクターを作って描いたりしていました。あとはいろんなキャラクターの模写とか。

み:タッチは? たいてい何かの影響ってあるでしょ?

T:僕は小学生頃はコナンしか読んでなかったです。それしか知らなかったくらいで、コナンの絵はよく描いていたかな。戦隊ものとかには興味なかったんですよ。

み:自分は絵がうまいんじゃないかなって思ったのはいつぐらい?

T:学校で絵のコンテストみたいなのがあるじゃないですか。あれで小1の時から毎年賞をとるようになったんです。小5か小6の時には、市がやっているゴミのポスター店みたいなので最優秀賞をとって、ポスターになったりもしたんですよ。

み:すごい! どこで?

T:福島の白河です。小6だったな。

み:そこから水彩画にいって油絵に進んで、とか?

T:それは全く考えなかったです。本当に好きなことやってって感じだったので。何にも考えてなかったです。

み:美術部にも入らず。

T:全く考えてなかったです。小中高までずっとサッカーでした。絵は、僕の絵で誰かを笑わせるのが好きだったんですよ。ノートの切れ端に先生の似顔絵を描いて、後ろにまわして、みんなが笑っているのが快感、みたいな。今もその延長みたいなものです。

み:クラスの中ではどういう存在? いけてるグループ?

T:活発系っていうんですかね? 大人しくはなかったです。

み:高校卒業してからは……。

T:山野美容専門学校に入りました。

み:山野でもやってたんですか、それ?

T:山野でもやってました(笑)。そういえば高校の卒アルの後ろの方に、みんなからメッセージみたいなのがあって「お前の絵は東京で通用すると思う」と書かれてたりしてました(笑)

み:山野で通用させてどうする(笑)

T:高校と同じことしてました(笑)

み:そういえば、どうして美容学校に進学したんですか?

T:僕は夢がない人間だったんですよ、好きなことはいっぱいあったけど。親からはずっと「高校卒業したら東京に行きなさい」とは言われてて。

み:なぜ?

T:多分独り立ちさせるためだと思うんですが。だから東京に行くものだとは思っていて、どういう進学をするのかはわからなかったですが。ちょうど高校の頃バンドもやってたし……。そういえば中3の時ですかねえ、一番輝いていたのは……。

み:え? なんで?

T:人生で一番モテてました。

み:早かったねえ、モテ期、何回か来るとかいうけど。

T:そう言いますけど、あんなモテることないですね、多分。当時サッカーやってて、ギターもやっていたので。同学年からはそうでもなかったんですが、下級生からは結構すごくて、校舎の各学年のフロア歩くだけでヤバかったです(笑)。「ギャー!」みたいな。一番輝いてましたねえ……何もしなくても女の子が寄ってきてましたもん。

み:なんだ、ムカつくな(笑)山野に入ったら、そんな事件はなく?

T:そうそう。話は戻りますが、その高校までバンドやってて、部活とバンドしかしてなかったので、なんとなく音楽関係に行くのかと思って音楽の専門学校を探していたりしたんですよ。で、たまたま同じクラスの中に美容師を目指しているやつがいて、そいつからオープンキャンパスに行くからついてきてって言われて、一緒にきたんです。そこで、カットとかワインディングの実習とかやらせてもらったんですが、もともと手先が器用だったので、できちゃうんですよ。そしたらそこの先生に、「キミ経験者?」って言われて。

み:それは……。

T:調子にのりますよね(笑)そんなこと言われるくらいなら、俺、美容師できちゃうんじゃないかなってなって思ってそのまま入りました。親にも「美容師になるかなあ」って言ったのを覚えてます。東京でがっつりやるかな、みたいになりまして。

み:がっつりやりましたか、学校では?

T:けっこうがんばった方ですよ。絵ももちろん描いてたんですが、放課後残って練習してたりしましたし、1年間くらい学校終わりにサロンに行って、シャンプーとかカットとかおしえてもらってたんですよ。

み:それは自主的に?

T:担任の先生に声をかけてもらって、その先生の知り合いのところへ。学校終わってから、大森のお店までいって、そこで2時間くらい、週に2〜3回。その時はすごいがんばってたと思いますよ、就職するなら絶対有名サロンがいいと思ってましたし。バイトも週3日パチンコ屋でやってたし、忙しかったですよ。

み:で、美容師になります、と。

T:会社説明会に行きまくって、何社か受けましたよ。それで前社に入りました。

み:さすがにもうイラストはやる時間がなかったでしょ。

T:ぷつっと止まりましたね、さすがに。

み:そこには何年いたんですか?

T:3年半〜4年くらいだったかな……アシスタントのままで。それで先輩が独立するってなって、その移った店でデビューってことになりました。

み:デビューしたころには、イラスト再開できるようになってたんですか?

T:いや全然。その頃はカメラにハマってました。カメラも好きです。

み:そのお店にはどのくらい?

T:そこは表参道の店で2年くらいかな。そこを辞めることになって。。

み:いちいち記憶がアバウトじゃね?(笑)

T:当時プライベートでいろいろあって本当に嫌な思い出しかなくて、どん底だったんですよ、人生の。ほとんど寝ない時間もあったりして。記憶から消したいくらい、もう病んでたので、本当に覚えてないんですよ。

み:そんなこともあったのか……そこからちょっと浮いてきたのはいつくらい?

T:原宿の業務委託サロンに移ってからです。徐々にお客さんが増えてきて、仕事が楽しくなってきたんですよ。原宿って土地柄もあっていたし、撮影もたくさんして、ハイトーンが好きだったりもしたし。

み:そろそろ絵の復活かしら?

T:その業務委託のころに、ちょうどインスタが出始めくらいで。5年前とかじゃないですかね。僕も最初はヘアスタイルをのせたりはしてたんですが、あるときイラストを載せてる人がいるのに気がついたんですよ。あ、こういう使い方があるんだ、自分も好きだからやろうって思って。当時はiPhoneで描きはじめました。まだ自己満のレベルで。スタッフを笑わせるために描いてる。あとはレシートの裏とかにスタッフの似顔絵描いて笑わせたりとか。

み:やること変わってないじゃん(笑)

T:変わってないですね。美容師で有名になりたいとは思っていたんですが、その一方でイラストをインスタに描いて有名になっている人にジェラシーを感じていたんですよ、すごく。自分も絵が好きなのに、って。それで自分もインスタグラムで有名になろうと思って、一昨年から本格的にやり始めました。

み:それから本が出せるまで短くない? すごいな。テーマは何を描いていたんですか?

T:最初から美容師あるあるじゃなかったですね。アカウント何個も作りましたし、去年の4月に本格的に始めるためにiPadを買いましたし。最初何描いてたっけな……サッカー漫画描いてましたね、そういえば(笑)

み:あ、サッカーも復活(笑)。

T:そしたら全然続かなくて。フォロワー増えないし、いいね!も増えないし。もうやめようと思って、今度は美容師漫画を描こうと思って、ギャグ漫画を描いたら全然面白くなくて。そうこうするうちに、急にふと下りてきたんですよね、「美容師あるある」が。

み:お!

T:僕、なんであれを描き始めようと思ったのか、あんまり定かじゃないんですよ。下りてきたやつがあれだったんです。で、1発目からかなりリアクションがあったんです。いいね!もかなりきて。これいけるな!みたいな。

み:どのくらいのペースで描いてたんですか?

T:一日3投稿してました。

み:それがすごい!

T:止まらなかったんですよ。次から次に下りてきて。

み:なんだその天才っぽい言い方(笑)

T:(笑)。当時美容師の仕事が終わるのが22〜23時だったんですが、帰ってきて3時くらいまで絵を3枚描いて、夜中のうちに投稿して、朝起きたらフォロワーが100人とか増えていて。やっベー気持ちいい、みたいな(笑)。

み:いきなりロケットスタートしたけど、ずっとそのままの勢いで?

T:そうですね、そのままきてますね。早かったです。1000人行ったのが1ヶ月、1万人行ったのが4ヶ月と27日です。だいぶ早かったですね。すごい勢いで増えていきました。もう毎日の楽しみになっていましたね。その時は美容師もがっつりやっていたんですが、イラストのネタ探しに行ってるみたいな。

み:はじめは自己満なのに、「話題になり始めてない、俺?」って思ったのはいつぐらいから?

T:フォロワ−3000人くらいですかね……コメントとかDMとかくるようになってきたりして。まだ仕事になるとは思っていなかったですけど。学生時代の延長で、僕の絵で誰かが笑うみたいな感覚で。

み:イベントもやったりして、俺、こっちの方でいけんじゃない?って思わなかったんですか?

T:思い始めましたね。フォロワーが2万人くらいになったときに。案件も増えてきたりして。

み:今も?

T:今はどっちかっていうと美容師の収入超えちゃいました。美容師の時間も減らしているからですが。

み:作家として、産みの苦しみとかはないんですか?

T:もちろんありますが……考えて考えて描いたネタって面白くないんですよ、やっぱり。スッと下りてきたやつをそのまま描いたほうがいい。仕事中、例えばカラーの仕事中に、ふわっとおりてくるんですよ。うわっ、来た!みたいな。構図と絵柄で降りてくるんですよ。

み:また天才っぽい言い方(笑)

T:ネタはまだまだいっぱいあるんですよ。それをシュールな絵で伝えられるくらいにガチッと来たら出せる状態です。まだ描けてないのがいっぱいあって、これをシュールに描けるかなあってところで。

み:あれよあれよというまに……。

T:1年前とかこうなるとか何にも思ってなかったですよ。おかげさまで、PR案件や連載も3~4本いただいていて、コンスタントに続いています。もう今はいただいた仕事でパンパン状態です。で、今投稿数が減ってしまっていて。

み:あ、それはいけない傾向かも。

T:そうなんですよ。自分でわかってるんですけど、締め切りに追われているみたいな……だから寝る時間を削って。今は週2日は寝ないですね。

み:また寝ない生活に!

T:でも今はやりたいことがやれている生活なので、全く苦じゃないですね。ストレスも全くなくて。

み:忙しくなってきて、美容師を辞めるつもりは?

T:ないです、それは。減ってはきますが、辞めないです。美容師の仕事も好きですから。

み:さて、それで本出す話なんてびっくりしたでしょ。『美容師あるある物語』しかも大手の小学館から。

T:もう本当にありがたい話で。それも、まさかのコナンと同じ出版社で。1月10日に出ます。

み:描き下ろしですか?

T:全部そうです。最初はインスタの中から選ぶような再録の話だったんですが、僕はそれが絶対嫌だったんですよ。全部描かせてくれって言って。全部で100枚くらい。3ヶ月くらい、描いて描いて描きまくりました。かぶってるネタもあるんですが、表現を変えて。あとは、1月21日にビューティエクスペリエンスでイベントもやります。

み:何をやるんですか?

T:サイン会とか。もともと個展やりませんか、ってお話をいただいていて、ちょうど本を出すタイミングなのでやりましょうか、となりまして。

み:今年も忙しい予定なんですか?

T:忙しくなるといいなというのがあって。この前インフルエンサーアワードジャパン2019のファニー部門にノミネートされたんですよ。もっとも影響を与えた人に送られるという賞典で、今年の3月にイベントがあって。これにノミネートされるだけでも案件が増えたりするみたいなんですよ。これでグランプリが取れればなというのはあるんですが。

み:他のジャンルのこと描いてくださいとは、なかなか言いにくいけど、どうなんだろうね。

T:今『SHIBUYA109』で全然違うの描いてますけどね。

み:なんかグッズ作ろうよ。

T:そこまでは(笑)。

TAKUOくんは、どうやら上がったり下がったりの差が激しい人生を送ってきたようで、それが作風に影響してるかまでは知りませんが、かなり運がいいことには間違いないクリエイターです。インスタにいいね!すると、何か授かれるかもよ(笑)。まずは単行本を買うべし!!

『美容師あるある物語』/小学館刊 900円+税

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1月21日イベント開催!!

『TAKUOのフォロワー様 感謝祭』

入退室自由!

場所:ビューティエクスペリエンススタジオ

お問い合わせ:☎︎03-6757-4070

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