Lysa YUKIさん PART1「ヘアメイクはその人の最大のかわいさを引き出すことを心がけています」
『M’s Column』 編集長が話題の人に話をきいていく、徹子の部屋みたいな企画です
藤田ニコルさんやゆうこすさんなど、タレントや女優さん、モデルさんのご指名ヘアメイクとして、自身でも3冊のメイク本に関わるなどヘアメイクとして大活躍。そのかたわら、自らオーナーとしてサロンワークもフルパワーでこなすYUKIさん。実はCHOKiCHOKiの表紙スタイルを、当時最年少で作ったもらったこともあります。YUKIさんのワークバランスに、美容師が目指せる一つの将来像がみれます。こんな働き方も魅了的!
編集長(以下/み):すごく忙しそうですね。今どういう仕事の割合になっていますか?
YUKI(以下/Y):その月によってバラバラです。ほんとはヘアメイク5:サロワーク5になるように心がけているんですが、どうしてもヘアメイクの仕事が多くなっちゃう月が多くなってます。
み:今みたいな状態になったのはいつごろからですか?
Y:いつごろかな? 徐々に徐々にって感じなんですけど。ここ数年は今みたいな感じが続いてます。
み:3年前の『CHOKiCHOKi Premium』に出てもらった以来ですが、あのころはヘアメイクはやってたんですか?
Y:あのころはもうこうなっていましたね。
み:じゃあヘアメイクの仕事はいつごろから? どういうきっかけではじめました?
Y:もともとヘアメイクはやりたかったんですよ。美容師になりたい気持ちはもちろんあったんですが、スタートには「ヘアメイクになりたい」という願望がありました。高校生のころに美容学校に進路を決めたんですが、その中でもヘアメイクになりたいっていう気持ちはずっともっていて、いざサロンに入社してからは、アシスタント時代にも、先輩の撮影のメイクを任せてもらうことがあったんです。先輩が担当するアーティストのヘアメイクを頼まれたりとか。それからスタイリストデビューしてヘアカタログの撮影をやらせてもらうようになったんですが、今度はその雑誌から「違う企画のヘアメイクをやって」って言われるようになって。それで、その企画のスタッフクレジットに自分の名前が掲載されはじめたら、他の雑誌からもやってって頼まれるようになって。そうしてどんどん雑誌のヘアメイクの仕事が増えていきました。
み:それは最初に入ったお店からですか?
Y:そうです。はじめのお店の時から、ちょっとずつやっていて、社長もヘアメイクをやったほうがいいって言ってくれていたんです。でもヘアメイクのサロンじゃないし、「これからどうしていくんだろう」とはっきり決められない感じがありつつ……でもヘアメイクで何か業務があったらやらせてもらっていました。
み:じゃあ自分でLysaをオープンしたころにはもう…
Y:もうわりとやっていましたよ。ヘアメイクをはじめたころは、なかなか両立ができなかったので、今ほどの仕事量じゃないですが。美容師としての業務がつまっているころはメイクができなくて、早朝だけとか、休みの日とかタイミングがあった時の仕事をやる感じで。
み:当時はモデルさん? それともタレントさんのメイクですか?
Y:雑誌とかだったと思います。で、自分でお店を出して自分で管理ができるようになってから、すごくヘアメイクの仕事が増えていきました。
み:自分の知名度が上がったのは、有名なタレントさんを担当するようになってから?
Y:どうなんですかね? タレントさんをやらせてもらう前からヘアメイクはけっこうやらせてもらっていて、それからタレントさんや女優さんが増えていったので…そんなに認知されてるんですかね??
み:ちなみに他にはどなたのヘアメイクをしていますか?
Y:内田理央ちゃんとか、清野菜名ちゃん、横田真悠ちゃんなど。あとはちょこちょこヘアメイクにつかせてもらっている方も何人かいます。
み:よく海外出張に行っていませんか?
Y:写真集やテレビ番組だったり、ブランドの撮影だったり、いろんな仕事で行っています。でも遊びでもけっこう行っていますけどね。
み:それでいて本3冊も出すなんて、すごい!
Y:1冊めは、他の雑誌の撮影で一緒だったライターさんが私のことを言ってくれたみたいで、ご依頼をいただきました。2冊めは監修という形で関わりました。
み:本も出しつつ、サロンワークと5:5にしようと心がけてはいるものの……
Y:海外出張や地方が多い月はサロンが少なくなりがちですね。
み:サロンの予約はどうやってとっているんですか?
Y:ヘアメイクの仕事の兼ね合いがあるので、一週間以上先の予約はあまりとらないようにしています。ヘアメイクの仕事が固まってから、例えば朝撮影だったら午後からサロンワークとか、毎週LINE@で更新して、お客様にはそのスケジュールを見て予約を入れてもらうようにしています。
み:一週間以内の予約だけでいけるってすごいですね…なんか人気者の証な気がします。
Y:本当にありがたいなと思っています。
み:サロンワークのお客さんはどういう人たちですか?
Y:昔からのお客様がずっと来てくれているのと……女性がほとんどですね。男性では、CHOKiCHOKiをやらせてもらっていたころから、大人になってもずっと来てくれている方もいらっしゃいますよ。ゆうこすちゃんのSNSを見て来たとか、インスタグラムを見てきたっていう子もけっこういるので、日々新規のお客様がいます。
み:しかし、やろうと思えばヘアメイクの仕事だけで生活できるんじゃないですか?
Y:全然できますね。
み:なぜサロンをやめないんですか?
Y:一番大きいのは、お客様がついてくれているということです。特に長く通ってくださる方を担当し続けたいという気持ちが強くて。新規のお客様をとるのをやめようかなと思う時もあったんですが、新しいアイデアがあって面白かったり、今までの髪型を私っぽくできたりするので、新規もすごい楽しくて。そう考えると、やっぱり美容師の仕事もすごく好きなんだろうなと思います。
み:こんなに広くなくても、マンションの一室でやるようなコンパクトなサロンは選択肢ではありませんでしたか? そのほうが家賃的にも楽じゃないですか?
Y:まあそうなんですけど、お店に出た時には一人でも多くのお客様をやりたくて。それに、私ここ気に入ってるんですよ。場所も、日当たりの良さも。確かに最初はマンションで、席一つで始めればいいやって思っていたんですが、暗くて狭い所は苦手なんですよ。原宿・表参道っていう土地で、陽が当たって、静かな場所っていうここが気に入っているので、ここがいいかなって思っています。
み:今、なぜヘアメイクとサロンワークが両立できているのだと思いますか?
Y:たぶんどっちも好きだからだと思います。物理的にも、自分でスケジュール管理をするのが得意だからだと思いますね。
み:両方やっていてしんどい時ってありませんでした?
Y:よくありました。
み:どういうしんどさですか?
Y:身体にきました。けっこうどっちも忙しくて、ヘアメイクにずっと出ていて、そのあとサロンワークに出るとか。自分に定休日を作っちゃうとサロンに出る日が少なくなるので、そうすると毎日働いているような時期があったんですけど、その時は毎日目まぐるしくて、ヘアメイクも早く終わらせてサロンに戻って、また収録行ってとかが繰り返されていたので、けっこう辛かったです。最近は休みはどこかに挟もうって思っています。仕事を受ける内容も無理はしないようにしています。
み:マックス忙しい時はどのくらい長かったんですか?
Y:ずーっと働いていました(笑)ずーっと続けて働いて、自分に限界がくると海外に飛ぶという繰り返しで。
み:倒れたりしませんでしたか?
Y:基本健康なので大丈夫なんですけど。
み:精神的には?
Y:ストレスは溜まってるんですけど、意外と溜め込まないんですよ。仕事が終わったあとはあくので、夜に友達とご飯行ったり映画見に行ったりして。忙しい中でも、帰って寝るだけじゃなくて遊びの時間を作ったほうがストレス解消になったりします。
み:ヘアメイクの仕事をする時に心がけていることはなんですか?
Y:その人を一番かわいくすること。いろんな人によってメイクパターンはあると思うんですけど、私ができる最大のかわいさを引き出したり、その人の良さを引き出すように気をつけているのと、例えば雑誌で自分のメイク企画だと自分の好きなようにやるんですけど、タレントさんの場合は自分の色を思い切り出すというよりは、自分の色を入れつつも、本人がその場その場でよく、テレビだったらテレビでよく見える見え方とか、舞台挨拶なら舞台挨拶でよく見える見え方とか、その方が一番引き立つようにするということを考えています。
み:ヘアメイクはレディースだけですか?
Y:男性もやりますが、女の人が圧倒的に多いですね。
み:他の人の本を見たりとかは?
Y:他の人のメイク本は見ないようにしています。そっちに感性が引っ張られたりするのは嫌なので、見ないように心がけています。
み:ヘアメイクの仕事の成功ってどういうことだと思いますか?
Y:なんですかね? 自分が成功しているわけでないんで、成功がなんだかわからないんですが……。
み:でも本出したり、ご指名を受けたり……
Y:そういうことであれば、仕事が続けられることが成功なんですかね。
み:なぜ仕事が続けられるのだと思いますか?
Y:ラッキーですね。周りの人に恵まれているのと運がいいとは思います。
<ラッキーなのか…いや、それだけではないはずです。PART2では、ラッキーの背景にある努力と強い意志がうかがえる美容キャリアに迫ります>
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