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寺村優太×永井信之対談「美容師の成功へのステップ」

ー小型サロンが今の時代のトレンドなんでしょうか?

永井「30年前って、サロンの小型化の傾向があったそうです。10〜15坪とか。それから20年前にカリスマブームが起きたときには50坪、60坪、100坪っていう大型化の波が来たと聞いています。だから30年前に戻っているんじゃないかと思うのが1点と、10〜15坪だったらウチは融資が引っ張れるという自信があるから、ウチの場合だと多いという点があります。

それとSNSが普及している現代だからの事情があると思います。今は、小さく100店舗やっているのと、大きく30店舗やっているのとでは、SNS上での見え方が全然違います。トータルの面積が同じだとすると、大型サロンの店舗数は小型サロンの3分の1くらいにしかならないんです。見え方は、数が多い方が全然いい」

寺村「日本だけなんですよ。10席以上のサロンが多いのって。先進国は3〜4席の小規模サロンがほとんどで、アメリカとかヨーロッパではフリーランスの割合も多くて。むしろあのカリスマブームの時のサロンの出し方が異質だったんですよ。アシスタント使ってたくさんのお客様を担当するっていう仕組みはカリスマブームの時に作られたものなんです」

―今お二人だから見えている未来があると思います。サロン業界はどうなりそうですか?

永井「僕は美容師の成功の一つに起業もあると思っています。いま雇用されている方って、売り上げに対しての収入はだいたい30%くらいなんです。それだと将来的に厳しいはず。ということは起業する方がいい、だから僕はそこに信念を持ってやっています。そのためにはまず知識を得ることが大事です」

寺村「集客と求人の方法がSNSで変わった今、美容室にとって次に重要なのは教育です。僕が調べた限り、学ぶために教材を買うとかセミナーに行く人って、美容師全体の10%以下らしいんですよ。自己投資の大事さに気づいてない人が多い。自己投資の大事さや学ぶことの大事さって、根本的には美容学校の教育から変えていかないと変わらないんじゃないかなと思っています。おそらく今後はそこに目をつけて変えていこうとする団体や人は増えていくんじゃないかと。僕もそうですし。すでに僕は全部の美容学校にVRを導入しようと真剣に取り組んでいるところです。

そうして美容学校での教育が変わると何が起こるかというと、今までは美容室に入社してそこで技術を覚えないと一人前になれなかったものが、ほぼ学校で完結することになるんですよ。すると「サロンに就職する理由ってどういうことだろう?」と考え直せる学校やサロンが生き残っていくのだと思います。SNSで集客はできちゃう、アシスタントは探せちゃう、技術はやる気のある子は美容学校のうちに習得できちゃうよってなったら、サロンで経験を積む意味ってなに? すぐにフリーランスになれるのに、お店出せるのにそのサロンにいたい理由ってなに? ということに気づく。その答えを見つけ出せたところはこれからも成長していけるんじゃないかと思います」

―サロンの開業についてはどうですか?

永井「寺村さんの話を聞いていて、箱がいらなくなる可能性も出てくるというのはわかりました。ただ、人って新築の家を買うじゃないですか。家を35年ローンで買うより、賃貸で過ごすほうがリスクが低くて支払いが低いってネットでもはっきり出ているのに。それでも家を買う人多いんです。その心理と同じで、賃貸で過ごすフリーランスもいれば、箱が欲しい人、独立開業で店舗が欲しい人もなくならないと思います」

寺村「僕も店を出す傾向は変わらないと思います。ただ出し方ですね。箱の大きさとか。永井さんの箱の出し方って、これからの主流になると思っています。いらないです、10席とか。そこを辞めていく人たちの穴を埋められるだけの求人を自社でやり続けて、またその人たちを売上を作れるように育ててまわしていけるのかって考えた時に、多分難しいと思うんですよ。だったら小さく出して、自分と少なく入れ替わるスタッフを1〜2名考えておいて、例えば10年後売り上げが落ちたとしても維持できるようにしておく方が健全なんじゃないかと思います」

永井「僕はお店を出すことのサポートは全力でしますが、その先10年後、この席数でこのまま終わっちゃうのか、この席を元に何かをするのか、その人が美容師×○○を可能にしているのかどうかなど、その人の人生でどう考えるのかが大事かなと思います。でもさっき寺村さんがおっしゃっていた、スキルを学生のうちから学べる時代が来るとすると、美容師にとって使える時間、考え方が変わってきそうですね」

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